第2章 天使の正体（忍足侑士＊夢）完結

『…そんな迷惑やったんや…
ごめんな…忍足』

布施さんは
泣きそうな顔のまま部活に
戻っていった。

なんやねんな…
言い返して来てや…
嫌いとか…
本気で言うたわけやない…

「忍足君？あの…」　

「ごめんな…
自分とは付き合ったりとか無理」　

それだけ言うて去る。

体育館の中では
布施さんが
必死にボール追いかけてた。

大丈夫やんな？
また明日になったら騒がしく
くっついて来るんやんな？

自分に言い聞かして
部活に戻った
　

次の日

ハイソな学園
ﾍﾞｯﾋﾟﾝなお嬢さん
爽やかな朝…は
爽やかなまんまやった。
布施さんは来んかった　

自分の席でなんか
本読んだり携帯眺めたり。
嘘みたいに静かな朝。
俺が望んでたんはこれ？
これやんな？　

「布施〜何読んでるんだ？」

ｸﾗｽﾒｲﾄの山田が話しかける　

『今やってる映画の原作
観に行こうと思って』

「へぇ〜行くなら俺と行かねぇ？」

おぃ、山田。何をシレっと
誘ってんねん？
布施さんがお前と
観に行くわけないやん

『…エェよ。別に行く相手
居らへんし。日曜日暇？』　

え…？行くんか？
山田と？2人で？それってデート
言うんちゃう？

「まぢ！暇！じゃあ1日中
遊んじゃう？」　

『エェよ、別に
1日でも一晩でも』

エェ事あるか！
山田の顔ようみてみぃ！　
下心丸出しやんけ！
絶対ｴﾛｲ事しようとか
企んでるって！
ちゅーかｱｲﾂむっつりやし！
辞めとけって！

それに…自分は俺の事が
好きやったんちゃうんか？
そりゃあ…昨日ﾁｮｯﾄ…？
少し…？否カナリ酷い事言うたけど…

あんなん本気ちゃう…
ちゃうから…行くなや…？
他の男と…行かんといてくれ…