一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第12章 ♧【いつか】じゃない約束(孤爪研磨)完結
「なんか飲む?」
『え…そんな余裕ない…から大丈夫…』
正座した布施が小声で呟く
余裕ないのは俺も一緒だけど。
大体布施はなんでここに来たんだろ
ハッキリ振って来いって
クロに言われた?
それとも…
もしかして。
リセットしきれてない気持ちが
グラグラ揺らぐ
「えっと…1個聞いていい……?」
『はい、どうぞ。』
「クロ…と付きあうの……?」
『え?なんで?付き合わない…けど』
布施が不思議そうにこっちを見た
「…好きなんじゃないの?クロの事…」
『え…別に…普通…』
気持ちは更に揺れる
「じゃあ…じゃあ…さ…」
喉元まで出かかった言葉が
口の手前で尻込みしてる
口に出すのが怖い
でも。今言わなきゃ。
この先ずっと言えないと思った
『孤爪くん?』
「おれの事…は?普通…?」
『………!』
布施の空気が明らかに
張り詰めたのが伝わった
「…無理に…答えなくていーけど」
咄嗟に続ける
やばい。やっぱ言わなきゃ良かった?
『あの…ね!返事の前に…私にも
伝えなきゃイけない事があって…いい?』
「え?うん、何?」
それよりも返事が気になるとか
言える雰囲気じゃ無かったし
とりあえず頷く
『実は…私…ずっと前から孤爪くんの事…
知ってたの。初対面のフリして
近づいたのは…昔バカな事してたのが
バレて嫌われるのが怖かったからで
でも…結局嘘ついてたわけで…』
オドオドしながら布施が話す
イマイチ ピンとこない布施の
昔の話をしばらく聞いてた
「…昔不良だったの隠してたから
そんなにビクビクしてんの?」
話し終えた布施に言うと
『だって…絶対不良とか嫌いでしょ…
だからって嘘ついて近づくとか…
なんかキタナイ…かなって』
涙が溜まっていくのがわかる
「まぁ仲良くしたいとは思わないけど」
『そうだと思ったから隠したかったの』
「でもそれって過去なんだよね?
だったら別に関係なくない?」
それにさ
『でも嘘ついてたんだよ?』
「それは俺に…その…
好かれたい…から…って事でしょ…?」
『…うん…仲良くなりたかった…』
それ聞けただけで嘘くらい
どーだって良くなるんだけど