一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第11章 GAME(仁王雅治)完結
姫凪side
あの人はイツモ本心を
隠したように笑っていて、
その笑顔が嫌いだった。
人をくったようなあの目も
探るような口調も見透かすような
視線も。
全てが嫌い
私の細胞の全てが
あの人の全てを拒絶する。
【この男に気を許すな。
この男は危険…】
気など許すわけがない。
目など見てやらない。
あの人の罠に私は掛からない。
そう強く思った。
うちのテニス部は
全国制覇したりしてるし
レギュラー陣の人気は
凄いものがあった。
親友のナナも完全に
まいってしまっている。
今日も口から出るのは
テニス部の話題。
正直聞き飽きた感はあった。
でも好きな人の事を話すナナは
凄く輝いていて、少し羨ましく思った。
「姫凪位料理が出来たら
仁王先輩に食べてもらうのに❤︎」
食べさせたい相手がいるのか…
いいなぁ。
なんてボンヤリ思う。
私には居ないから。
ナナに懇願されて
テニス部の練習を見に行った。
凄い数の女子。
黄色い声に囲まれるレギュラー陣
ナナの好きな仁王先輩に目をやる
スラリと長い手足、
光を浴びて煌めく銀髪。整った顔立。
一瞬目を奪われた。
でも
あの人の目を見たとき、
背筋が寒くなった。
冷たく感情のない目
意味ありげに上げた口角。
噂で聞いた異名が頭を掠めた。
【コート上の詐欺師】
なるべく関わらないようにしようと
思っていたのに。
仁王先輩と言葉をかわす機会は
意外と早く訪れる。
ナナがプレゼントを
渡したいからって私を
引っ張っていったあの日。
沢山の女子に囲まれ
嘘っぱちな笑顔を浮かべ
仁王先輩がプレゼントを受けとる
ナナのプレゼントが
その他の中に無造作に
埋もれていく様は私を一気に
不快にさせた。