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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第8章 tragic love①


ー松岡sideー


翔に逢わなくなってから1週間が経とうとしていた。
何度も連絡を取ろうとしたけれど、俺の中の臆病な部分がそれを躊躇していた。
逢って何を今さら言えっていうんだ…。
『好きだ』なんて…伝えられる訳がない。
でも…俺が今立ってる場所は翔の居るホストクラブの前。


「はぁ…何やってんだ」


帰ろうとした時、出て来たホストに呼び止められる。


ホスト「いらっしゃいませ。あれ…貴方は確か櫻井の…」


「あ…いや…」


ホスト「櫻井は今日居ませんよ?」


「え?」


ホスト「何か櫻井を気に入ったうちをごひいきにされてるお客様に逢いに誕生日パーティーに店長と一緒に」


「気に入った…?」


ホスト「アフターですよ。聞いてないですか?」


俺はそのホストに駆け寄り、肩を掴んだ。


「そのホテル…何処か教えてくれ!」


ホスト「え、あ、はい…」


俺はそいつに場所を聞いた後、止まってるタクシーに乗り込んだ。





まさか翔がアフターなんて…する筈ない。
だとしたら…考えられる事はひとつしかない。


「すみません急いで下さい」


俺は前のめりになり運転手さんをせかした。


運転手「すみませんお客さん。この先で事故があったみたいで渋滞に入りますよ」


「は?」


運転手「でもホテルに行くにはここを真っ直ぐしか…」


嘘だろ…。
ホテルはまだ3㎞程先なのに…!


「降ります!すみませんお釣りは良いから」


俺は運転手さんに万札を乱暴に渡し、タクシーを降りた。


「翔っ…!」


俺が馬鹿だ。俺が行けなんて言ったから…!


俺はホテルに向かって全力で走った。
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