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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第8章 tragic love①


暗がりの道を俺はトボトボと自分のアパートまで歩いた。


「はぁ…」


松岡さんが追い掛けて来てくれるかと期待したけれど…彼は来なかった。


やっぱり…松岡さんは俺の事なんて…好きじゃないんだ。


「ふっ…う…」


流れてくる涙を拭いながら俺はポケットにしまっていた携帯電話を取り出した。


携帯が無いと不便だからって…松岡さんと一緒に買いに行ったんだ。
沢山…松岡さんにメールして…電話して…。
駄目だまた泣いちゃう。


俺は振り払う様に、電話帳から長瀬店長に電話をした。


長瀬『もしもし櫻井くん?』


「あ…店長こんな時間にすみません」


長瀬『大丈夫だよ。どうした』


「あの…この間の結婚パーティーのお話なんですけど…俺で良ければ…ご一緒します」


長瀬『そうか。良かったー。助かるよ。有り難う』


電話の向こうの長瀬店長の声は明るくて。
もしかしたら第一印象とは違っていい人なのかもしれないと思った。


長瀬『じゃあ明日詳しい事話すから。わざわざ電話ありがとうな。お疲れ』


「お疲れ様です」


電話を切り、ふぅとため息を付く。


頑張ろう。
松岡さんも言ってたじゃないか。仕事なら嫌がらずにやれって。


大した事ない。長瀬店長が一緒にいてくれる。
美味しいご飯も…。


もう松岡さんには会えないかもしれない。
自分の足で歩こう。今までそれでやって来たんだ。
最近俺は甘えてた。
しっかりしなきゃ。舞の為に…頑張ろう。


自分を奮い立たせながら俺は夜道を歩いた。
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