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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第8章 tragic love①


ー翔sideー


長瀬「櫻井くんちょっと良いかな」


オープン前の店内。
店の掃除をしている俺に長瀬店長が近付いて来る。


「はい」


俺は箒を動かす腕を止め、彼の方を向いた。


長瀬「ちょっとさ…お願いがあるんだ」


「………お願い?」


長瀬「うん。来週さ、うちのオーナーの付き合いのある方の誕生日パーティーがあるんだよ」


「はい」


長瀬「オーナーが出られないから俺が代わりに出席するんだけどさ…櫻井くんにも同行して欲しいんだよね」


「え…?」


俺は驚いた目で長瀬店長を見つめ返した。


長瀬「いや、その方この間うちに来ててさ…君の事えらい気に入ったみたいでね。指名してたんだよ。勿論君はボーイだから断ったんだけど…どうしても話だけでもしたいから連れてきてくれって頼まれてさ…」


「………」


………どうしよう。
大丈夫かよその人。


俺が返答に困っていると長瀬店長はポンと俺の肩に手を置いた。


長瀬「構えなくていいんだよ。テレビドラマとかでよくあるだろ?お金持ちがやってるド派手な誕生日パーティー。あんなんだよ。大勢の人がワイワイやってお話するだけだよ。美味しいご飯も食べられるし…おじさんとちょっとお話しして後は俺の隣に居てくれれば大丈夫だから。まぁ…無理にとは言わないけどさ」


優しく微笑む長瀬店長。


「ちょっと…考えさせてもらって良いですか?」


直ぐに断る事は出来ずに俺は言葉を濁した。


長瀬「勿論。週末までに返事くれたらいいよ。気楽に考えて。断ったからどうこうとか無いからね」


「はい…」


そのまま長瀬店長は事務所に引っ込んだ。


ここで働き始めて1ヶ月。
最初に感じていた嫌な感じは今の長瀬店長には無くて。
俺の気のせいだったのかな…。


俺は首を傾げながら仕事へと戻った。
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