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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第8章 tragic love①


「お久し振りです。茂さん」


俺は1年振りに会うその人に頭を下げた。


城島「久し振りやな松岡。元気にしてたんか」


「お陰様で」


城島「まぁ座り」


「はい。失礼します」


俺は促され、ソファーに腰掛けた。


城島「急に連絡あったからびっくりしたわ。何かあったんか」


「………はい」


俺は顔を上げ、目の前にある穏やかだか冷たい瞳を真っ直ぐに見つめ返した。


1年前、彼に街中で会って以来だった。
実業家でもあり…裏社会にも顔の効くいわゆる大物。
深く関わらない方がいいと本人から言われていたのでそうしていたが…翔の為だ。


「………仕事…探してまして…」


城島「仕事…」


「出来るだけ…羽振りの良い仕事。でも…危険でない仕事なんですが」


城島「松岡仕事辞めるんか」


コーヒーを飲みながら茂さんは俺を伺う様に見つめる。


「いえ。知り合いなんですけど…。お金に困ってまして…。そいつ今まで路上で客引きしていて…」


城島「成る程。親は?」


「居ません。妹と2人だと」


城島「………客引きしてた位やから…見た目はええのんか」


「ええまぁ。中性的というか…。後年齢も問題が…。まだ16で」


城島「16で客引き…。すさんだ生活しとんな…」


「だから…何とかしてやりたくて茂さんに…。すみません」


俺は深々と頭を下げた。


城島「………ほな、ホストクラブのボーイはどうや」


「ホスト…クラブ…」


城島「ボーイやから接客はせんでええ。雑用や。給料よくて危険やない仕事やったら…それが1番やろ。どうや」


「はい。ありがとうございます」


城島「ただ…俺もオーナーやからな。本人がホストやりたい言うたら…止めるのは最初だけやで。いけそうやったらやらせるかも分からん。それでええな」


「はい」


城島「じゃあ決まりやな。明日ここにそいつ連れて来い。18時でどうや」


「分かりました。ありがとうございました」


茂さんが立ち上がりレシートを取り上げた。


「茂さんここは俺が…」


城島「ええよ。ほな明日な」


手を振りながら茂さんは店を後にした。


「ホストクラブか…」


仕方ない…。それで納得させるしかないな。


俺も立ち上がり、そのまま店を出て行った。
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