第6章 連鎖
ー翔sideー
雅紀「くっ…はぁ…」
視線を上げると息を荒げながら雅紀が俺を見ている。
「んっ、ちゅっ…ちゅぷっ…」
俺は膝まづいて雅紀の塊を愛撫していた。
口内に広がる雅紀の匂いが余計に俺を駆り立てる。
大きく音を立てながら何度も塊をしゃぶる。
今日の事…早く忘れたい。
昌宏さんの事…忘れたい。
俺はその一心で根元を扱きながら強く吸った。
雅紀「っっ、出るっっ…!」
そして口内に勢いよく雅紀の白濁が放たれた。
「ん…ごくっ…」
俺はそれを一気に飲み干した。
雅紀「はぁ…はぁ…」
「………雅紀…」
口に付いた白濁を舐めながら身体を起こすと、雅紀は何故か冷めた目で俺を見つめていた。
「………雅紀?」
雅紀「今何考えてた?」
「え…」
雅紀「………」
「そんな事…俺は雅紀の事しか…」
………見透かされてる。
そのまま雅紀は立ち上がり、俺に背中を向けて湯船へと入ってしまった。
雅紀「翔…俺とセックスしたいの?それともただセックスがしたいの?」
「………」
雅紀「後者の方ならさ…お断りだよ」
「………雅紀…」
雅紀「俺は…翔を抱きたいんだ。ちゃんと愛し合いたい。何があったのかは分からないけど…憂さ晴らしのセックスなら絶対しないから」
何でこの人は…俺の心が全部見えてるんだろう。
付き合ってまだ数ヶ月なのに。
俺は…罪悪感で泣きそうになってしまった。
「………ごめんなさい。ちょっと嫌な事あって…引きずってた。ごめんなさい…」
雅紀「………おいで」
雅紀がこちらを向いて膝を叩いた。
俺は湯船に浸かり、雅紀の膝に座った。
雅紀「………俺はね、セックスするなら翔の身体だけでなくて心も抱きたい」
「………心…」
雅紀「ん。ちゃんと愛し合いたいから…。仕事の話はしないって決めたけどさ…引きずる程嫌な事あったなら俺聞くから。話して?」
「………うん。ごめんね…」
雅紀「分かってくれたなら良いよ。俺も怒ってごめんね」
いつもの雅紀の笑顔で、俺の頭を優しく撫でてくれた。
雅紀「じゃあ…仲直りのちゅーね?」
「うん」
湯船に浸かったまま顔を寄せ、俺達は熱いキスを交わした。