第6章 連鎖
ー雅紀sideー
「ご馳走さま~美味かった」
翔「良かった」
俺は夕食のカレーを平らげ、膨れたお腹を撫でた。
翔「雅紀先にお風呂入って来たら?ゴロゴロしてたら昨日みたいにまた寝ちゃうでしょ」
「んーそうだね。じゃあ入って来る」
翔「どうぞ」
俺は片付けを翔に任せ、お風呂に入った。
「ん~気持ちいい」
湯船に浸かり、伸びをする。
今日も忙しかったなぁ…。
ふと、太一先輩の顔が頭を過る。
太一先輩…今もたまに店に行って翔指名してるみたいだ。
最近すこぶる機嫌が良い。
「………俺にもっと甲斐性があれば…」
直ぐにでも仕事止めてもらえるのに。
何が楽しくて恋人に売春なんてさせなきゃいけないんだよ。あの髪…あの唇…あの身体…俺以外の奴が触れて…弄んでる。
「くそっ…!」
思わずお湯を殴ってしまう。
自分を奮い起たせようと湯船を出て、強いシャワーを浴びた。
翔の方が辛い筈なんだ。
毎日何人もの男に奉仕して抱かれるなんて。
だから俺は…支えなきゃいけない。
そう誓ったんだ。
恋人は…俺なんだから。
翔「雅紀」
突然名前を呼ばれ、驚いて振り返ると、目の前には裸の翔が立って俺を見つめていた。
「びっくりした…どうしたの」
翔「声掛けたんだけど…。一緒に入りたくて」
「珍しいね。いつも恥ずかしがるのに」
翔「うん…今日は…何か一緒に入りたくて…」
そう言う翔は…場所のせいだろうか。
さっきより儚げで…艶っぽく見える。
「………おいで」
翔の手を引き、一緒にシャワーを浴びる。
シャワーのお湯が翔を一気に濡らし、艶やかさに磨きがかかる。
俺は翔を抱き締め、唇を重ねた。
翔「はぁ…ん…まさ…」
翔の甘い息づきが脳を刺激し、俺の下半身に熱が集中していった。