第5章 家族
ー翔sideー
「ん…」
目を覚ますと、雅紀は隣で肘を付いて俺を見つめていた。
雅紀「おはよ」
「………はよ」
ちゅっと優しいキスをした後、雅紀は俺の髪を撫でる。
雅紀「ごめんね昨日…調子乗っちゃった。お腹大丈夫?」
「………何とか」
雅紀「良かった。一応処理はしたから…でも後で薬飲んでね」
「ん」
雅紀「本当ごめんね。今日仕事なのに…」
「………ううん…」
申し訳なさそうにシュンとする雅紀に俺は抱き着いた。
「雅紀になら何されても良いよ?だって…愛されてるって…身体で感じられるから…」
雅紀「翔…」
雅紀の腕が背中に回る。
雅紀「………どこかで…張り合ってたのかもしれない」
「………張り合う?」
雅紀「………店の客と」
「………」
雅紀「ごめんな仕事の話はしないって決めてるのに…でも…やっぱり嫉妬する。だから…刻み込みたいんだ…翔の身体に俺を…」
「………」
雅紀「ごめん」
「何で謝るの」
雅紀「へ?」
雅紀の顔を覗き込み、俺からキスを落とした。
「………嬉しい」
雅紀「嬉しい…?」
「だって…それだけ愛されてるって事だよ俺は。むしろ嫉妬してくれない方が…悲しい」
雅紀「翔…」
「でもね、仕事でのセックスと雅紀とのセックスは全然違うよ?何でか分かる?」
雅紀「な、何でかな…」
「愛だよ」
雅紀「………」
「雅紀に抱かれてると…心までとろけるってゆうか…昨日みたいに意地悪されても…愛が伝わるんだ。それに今みたいに朝起きたら雅紀が隣に居る。こんな幸せってない。俺は世界一の幸せ者なんだって…だって
最高の恋人が居るんだから」
雅紀「………翔…」
「だから…嫉妬したり嫌な時は…遠慮せずに言って?我慢して溜め込まれるのはやだ」
雅紀「翔…」
「愛してるよ雅紀。謝るのは俺だよ…こんな仕事…ずっと続けるなんて。俺も…嫌でたまらないんだよ。雅紀以外の人に抱かれるなんて…割り切ってるけど…どうしても嫌で嫌で仕方ない時があるんだよ」
雅紀「翔っっ、ごめん!」
雅紀の抱き締める腕に力が入った。