第4章 ショウの秘密
言わないと決めてたのに言ってしまった。愛してると。
この人を巻き込んじゃいけない。
側に居ると不幸にするって分かってるのに。
もう止められない。
彼を愛してる。側に居たい…。
「ごめん…俺なんかで…ごめんなさい…でも愛してる…」
雅紀「何で謝るの」
少し身体を離して雅紀が俺を見つめる。
雅紀「翔は最高の人だよ」
「そんな事ない…」
雅紀「正直一目惚れだったけど…中身知らなきゃここまで愛してない。俺には勿体無い位の人だよ」
「雅紀…」
雅紀「男娼なんて関係無い。愛してる。確かに…俺以外の人間に抱かれるのは…考えるだけで辛いよ。それは当たり前だよ。でも…その辛さより俺は君の側に入れない事の方が辛いんだよ。だから…君の側で君を支えたい。君の恋人として」
ぽろぽろと涙が流れ、もう止まらない。
「本当に…良いの?俺で…」
雅紀「君で良いんじゃなくて君が良いんだよ。俺の側に居て?」
「………はい。お願いします…」
雅紀「良かった…!」
ぎゅっと抱き締められ、肩に顔を埋められる。
「恋はしないって決めたのに…雅紀はどんどん俺の中に入って来て…気付いたらもう愛してた…ごめん雅紀…もう雅紀が居ないと駄目…」
雅紀「俺も…翔が居ないと駄目だよ。だから頑張ろう。俺と翔で…一緒に頑張ろう。舞ちゃんの為に」
「うん…うん…」
雅紀「じゃあまずは…腹ごしらえ!」
笑いながら雅紀が俺の頭をぽんと撫でた。
雅紀「コンビニに買い物に言ってたんだ。食べよ?」
コンビニの袋からお茶とお弁当を取り出した。
雅紀「えっち激しかったからお腹空いちゃってさー」
「ば、馬鹿っっ…」
バシッと雅紀の肩を叩く。
雅紀「ふふっ可愛い♪」
「もう…」
2人だけの幸せな時間。
こんな甘い時間が俺に訪れるなんて思わなかった。
今度こそこの幸せを手放さない。
俺は心の中で固く誓った。