第24章 番外編『大切な妹』
岡田「誰だお前」
ギロッと岡田さんの瞳が雅紀を捉える。
雅紀「あんたに名乗る名前は無いよ。翔にそれ以上触れるな」
「………雅紀…」
岡田「………そういう事か。ならハッキリ言えよ」
すると漸く岡田さんが俺から離れる。
雅紀が俺の腕を引き、今度は雅紀の腕の中へ。
雅紀「戻って来るの遅いから心配した」
「ごめんなさい…」
雅紀の手が優しく俺の髪を撫でた。
岡田「じゃあまたなショウ」
雅紀「待てよ」
俺達の横をすり抜け立ち去ろうとした岡田さんを雅紀が呼び止める。
雅紀「またなんてない。翔は…俺と一緒に生きていくんだ。二度と…翔に近付くな」
岡田「言うね」
雅紀「愛する人を侮辱されて怒らない奴なんて居ない!」
岡田「ふふっ。分かったよ。さよなら」
後ろ手に手を振りながら岡田さんは去って行った。
「雅紀…俺…」
雅紀「いいから。大丈夫」
「雅紀…」
そのまま雅紀は…暫く俺の事を抱き締めてくれていた。