第21章 再会。そして…
「どう…して…」
部屋の中に入ると…俺はさっきよりも驚きを隠せなかった。
赤岩「………君は…」
雅紀「翔…。やっと逢えた…やっと…!」
雅紀が駆け寄り、俺を抱き締める。
強く強く…抱き締められる。
赤岩「これは…一体どういう事ですか?松岡さん」
松岡「返してやろうと思いましてね」
赤岩「返す…?」
松岡「俺の大切な人を…愛する人の元へ返す為にね」
赤岩「………」
雅紀「翔。ここに居て?」
優しく微笑むと…雅紀はゆっくりと赤岩さんの元へと歩み寄った。
「雅紀…」
松岡「翔。ここにいろ」
後ろに居た松岡さんが俺の肩を叩く。
赤岩「………」
雅紀「松岡さんから全部聞いたよ。あんたが翔にした事。昔路上で翔を買った事。ホストやってた翔を上司に金渡して…無理矢理犯した事。今回も…店を潰すと脅して翔を奪ったんだろ!!」
そして思いきり雅紀が赤岩さんを殴り付けた。
その勢いで…赤岩さんは床に倒れ込む。
「雅紀…!」
俺はそのまま駆け寄り雅紀に後ろから抱き着いた。
「もういいから…止めて…」
雅紀「翔…」
「もういいから…」
雅紀「こいつのせいで…俺達は1年も…」
雅紀が振り返り、俺をまた抱き締めた。
1年振りの…雅紀の腕の中…。
雅紀の匂い…。
赤岩「くっそ…」
赤岩さんが殴られた頬を抑えながら立ち上がる。
赤岩「最初からこうするつもりで乗ったのか…」
松岡「気付くのが少し遅かったですがね。赤岩さん…」
落ち着いた、けれどその瞳に怒りを込めている昌宏さんが…俺達の隣に立った。