第21章 再会。そして…
ー翔sideー
車の窓から外を眺める。
眠らない街、東京。
沢山の人が行き交う街並みを…俺は赤岩さんに連れられいつもとは違うホテルへと連れられて行った。
「そんなに上客なの?今日の人は」
赤岩「そうだ。その会社のお陰で赤岩ホールディングスは成り立ってる。その会社の海外支店長が数年振りに帰国したんでな。是非にと声を掛けたら食い付いてきた。安心しろ。なかなか男前で若いぞ」
「ふーん…」
所詮金で身体買うんだから大した奴じゃないだろ。
「名前は?」
赤岩「色々面倒は嫌だから極秘だって事だ。まぁ…2人きりになれば聞いたらいい」
「………分かった」
赤岩「頼んだぞショウ。これで向こうの会社といい関係が築ければ会社の将来は約束されたも同然だ。ただ失敗すると…会社は終わる。お前に掛かってるぞ」
「失敗なんてした事ないだろ」
赤岩「そうだがな。しかし私も一緒に楽しみたいなんて…どんな嗜好なんだかな」
「ただの変態だろ」
赤岩「ふふっ」
ホテルに着くと、赤岩さんと一緒に最上階へと向かう。
高級ホテルに慣れた俺でも圧倒される程の…ハイクラスなホテル。
どんなエリートビジネスマンなんだろ…。
最上階にあるたったひとつのスイートルーム。
客はもう既に着いてるらしい。
赤岩さんが入口をノックする。
すると直ぐにその扉が開かれた。
「………!!!」
俺はそこに立つ男性を見て…固まってしまった。
赤岩「どうも松岡様。お待たせしました」
松岡「来たばかりです。どうぞ」
そこに立つのは…昔俺の愛した人。
「………ま、まさ…」
すると言葉を遮る様に、昌宏さんが俺の腕を掴んだ。
松岡「これは凄い。赤岩さん…最高級の男娼ですね。好みだ」
赤岩「喜んでもらえて光栄でございます」
松岡「さ。入って」
赤岩「失礼致します」
昌宏さんが促すと赤岩さんが先に中へと入って行く。
松岡「俺に任せろ翔」
赤岩さんに気付かれない様に耳元で囁かれながら…俺は彼に引かれて中へ入って行った。