第20章 after one year
「レバニラ炒め上がったよ」
雅紀母「はーい」
今日もいつもの様に店の厨房で料理をせわしなく作る。
いつもと変わらない風景。
お昼の時間帯もピークを過ぎ、そろそろ店を閉めて休憩にしようかと思った矢先だった。
雅紀母「雅紀」
「何?」
雅紀母「貴方にお客さんよ」
「客?」
雅紀母「そう。久し振りに見たわあんな男前!見とれちゃった」
雅紀父「何言ってんだいい歳して」
雅紀母「いいじゃない別に」
「まぁまぁ。男前って誰だろ…」
疑問に抱きながら…俺は厨房からホールに顔を出す。
「………松岡さん!」
松岡「お久し振り」
スーツに身を包んだ翔のかつての恋人、松岡昌宏さんがそこに立っていた。
「え…え…何で…」
松岡「相葉さんと話がしたくて」
「話?」
松岡「その前に…腹ごしらえしたいんだけど…お勧めは何かな」
「え?あ…そうですね…タンメンに炒飯と餃子かな…」
松岡「じゃあそれ下さい」
そう言って松岡さんは席に着いた。
「し、少々お待ちを…」
俺は急いで厨房へと戻って行った。