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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第20章 after one year


ー松岡sideー


久し振りに降り立つ懐かしい空気。
数年振りに見るその風景は…最後に見た時とはかなり様変わりしたけれど織り成す空気は変わらずに俺を迎え入れた。



隣の妻に至っては10年以上振りだと言っていた。
窓際に立ち外の景気を眺めていた。
そんな妻を微笑ましく思いながら俺は隣に立って眼下に広がる街並みを見つめる。


「久し振りの東京はどうだ?」


松岡妻「全然変わったわ。こんなに人が多いなんて…ニューヨークと変わらない…でもニューヨークとまた違う雰囲気で…」


「そうか」


松岡妻「1週間満喫しなくちゃ」


楽しそうに俺を見つめる妻にそっとキスをする。


重役会議の為に本社に呼ばれ帰国したのが数時間前。
1週間の間に重役や…取引先の人間との顔合わせで昼間のスケジュールは真っ黒。
それでも俺と離れたくないと妻は着いて来てくれた。
いいパートナーを見つけたと…俺は幸せだった。


「俺の居ない時間本当に1人でも大丈夫か?」


松岡妻「平気よ。それに日本は安全でしょ?歩いてて刺されたりしないし」


「まぁそうだけど…でも日本も最近物騒な事件多いからさ」


松岡妻「大丈夫。怪しいとこには行かないわ。それに…夜は一緒に居れるんでしょ?」


「仕事上手くいけばな」


松岡妻「大事な仕事だから精一杯やって?時間取れなくてもいいから」


「ありがと」


俺達は微笑み合ってハグをした。


「さて…ディナーにするか。お寿司食べよう。知り合いが予約してくれた店あるから」


松岡妻「ええ。行きましょう」


俺達は手を繋いで部屋を出た。





フロントに鍵を預け、タクシーに乗り込む。
タクシーの中から何となくホテルのフロントを見ると…見覚えのある姿が目に入る。


「………翔…!?」


その姿は隣の中年紳士と楽しそうに会話をしながら…エレベーターへと歩いて行く。


「嘘だろ…」


松岡妻「どうしたの?」


妻が心配そうに俺を見つめてくる。


「あ…いや…人違いだった」


笑って誤魔化し、今見た映像を振り払いながら俺は妻と夜を過ごした。


そうだ…見間違いだ。
だって翔は東京には居ないのだから…。
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