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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第11章 別離


ー雅紀sideー


舞「まーくん!」


病室に入ると、変わらないさの可愛い笑顔が俺を迎え入れてくれた。


「久し振り舞ちゃん。具合はどう?」


舞「元気だよ。お兄ちゃんは?」


舞ちゃんが辺りを見回しながら…俺に聞いた。


翔と距離を置いた日からもうすぐ3週間。
俺なりに…もがいて苦しんで…答えが出そうになっていた。
それが確信に変わる前に…俺は翔の妹、舞ちゃんに会いたかった。


「今日は…俺だけだよ」


舞「まーくんだけ?」


「ちょっと…喧嘩しちゃってね」


舞「お兄ちゃんと?」


「うん…」


それだけが…理由じゃない。
俺は…舞ちゃんにひとつの提案をしようと…目の前
パイプ椅子に座った。


「舞ちゃん…別の病院で病気治さない?」


舞「え?」


驚いた舞ちゃんの手を握りながら俺は続けた。


「俺が舞ちゃん位の年に暮らしてた町の近くにね…ここより大きい病院があるんだ。設備も揃っててね。特に舞ちゃんのかかってる病気に力入れてて…もしかしたらここよりいい治療出来るかもしれないって思ったんだ」


舞「………」


「舞ちゃんの正直な気持ち聞いてから翔に…お兄ちゃんに話そうと思って。舞ちゃんの気持ちが1番だから」


舞「………」


舞ちゃんは…うつ向いて考える仕草をする。


俺は…舞ちゃんが話すまで静かに待った。


舞「………まーくん…」


「うん?」


舞「………舞は…お兄ちゃんが大好き。それに…お兄ちゃんが大好きなまーくんも大好きだよ。だから…早くよくなって3人で一緒に居たい…」


「………舞ちゃん…」


舞「そこだと…よくなるの?」


「………きっとよくなるよ。俺は…そう信じてる。舞ちゃんも頑張らないといけないし、俺もお兄ちゃんも頑張らないといけない」


舞「………うん。頑張る。舞頑張る」


「よかった…」


舞「だからまーくん…お兄ちゃんと仲直りして?」


「うん…ちゃんと…仲直りするよ。頑張る」


俺は舞ちゃんの手を取り、優しく頬を撫でた。


家を出る時あんなにすがっていた翔からは一度も連絡は無い。
もしかしたら…松岡さんの元に居るのかもしれない。
翔が決めた事なら…俺は受け入れよう。


でも…最後にもう一度俺の気持ちを翔に伝えたい。


俺は…決心をした。
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