第10章 対面
松岡「貴方とは…一度じっくり飲んで話したいな」
「喜んで。あ、良ければ今日…」
松岡「今日は駄目ですよ。帰って休んで下さい」
「………はい」
松岡「貴方に…それ程尽くしてもらえるなんて…貴方の恋人は幸せ者だ」
「そんな事ないですよ。幸せ者は俺です。俺の事…愛してくれて…側に居てくれる。感謝してます」
松岡「ははっ、これはご馳走さまです」
「あ、すみません」
松岡「いえ、羨ましいですよ。俺も…それだけ想う人と…一緒に居たいですから」
「………」
松岡さん…離婚調停中だって…聞いたな。あまり踏み込まない方が…いいよな。
松岡「どんな方です?相葉さんの彼女さんは」
「あ…いや…その…」
どう言ったらいいんだろう。
松岡「あ、すみません込み入った事聞いてしまって」
「あ、いや全然大丈夫です。その…何て言ったらいいか」
松岡「もしかして…男、とか」
「え…」
松岡「当たり?」
「あ…はい…」
松岡「そうか…成る程」
一瞬真顔で頷く松岡さんに疑問を抱いたけど…直ぐに笑顔になる。
「すみません…引きました?」
松岡「そんな事ありません。私も…経験ありますから」
「え!?」
松岡「妻と結婚する前…付き合ってた子は男ですから」
衝撃の発言に俺は目を丸くした。
「そうなんですか…」
松岡「ええ」
「何か…一気に松岡さんと距離感が近くなった気がします」
松岡「………私もそう思います」
「このプロジェクト終わったら…飲み行きましょう是非」
松岡「もちろん」
そして俺は松岡さんと連絡先の交換をした。
翔との関係を知る事なく、関係を深めていったのだ。