第10章 対面

ー雅紀sideー


国分「相葉ーそろそろ先方さん来るぞ」


「はい行きます」


太一先輩に呼ばれ資料をまとめて俺は席を立った。


国分「相葉お前…最近痩せたな。大丈夫か？」


「え？あ、大丈夫です」


国分「そうか…今日の取引先はうちにとって重要な大手の取引先だから失敗できないぞ。本当に大丈夫か？」


「はい。やります」


国分「分かった。よし、行こう」


俺は太一先輩に着いて会議室へ向かった。





女子社員「来られました」


国分「分かった。お通しして」


女子社員「はい」


太一先輩と俺は立ち上がり、相手が来るのを待った。


数分後、扉が開き、先方が中に入って来る。
俺の初めて見る相手だ。


国分「今日はわざわざご足労頂いてありがとうございます。国分です。宜しくお願いします」


先方「どうも。松岡です。宜しくお願いします」


スラッと背の高い人が笑顔で挨拶を返しながら名刺交換をした。


俺も太一先輩の後に続いた。


「初めまして。相葉雅紀と言います。今日は宜しくお願いします」


松岡「………相葉…雅紀…？」


俺が差し出した名刺を凝視しながらその人は顔を歪ませた。


「あ、あの…」


松岡「あ、いや…雅紀って知り合いと同じ名前だからびっくりして。すみません、松岡昌宏です。宜しくお願いします」


「はい」


頭を下げながら俺達は名刺交換をした。


まさか…この人が翔の愛した人だったなんて…。
昨日翔と一晩過ごした相手だなんて…。


この時の俺は思いもよらなかった。