第9章 tragic love②
城島「久し振りやな櫻井くん」
「お久し振りです。お忙しいのに…急にお呼び立てして申し訳ありません」
オーナーに指名されたカフェの片隅で…俺達は待ち合わせして会った。
城島「かまへんよ。でも…驚いたわ…本気か?娼館で働きたいて…」
「………はい」
城島「………あまりお勧めはせぇへんけどな」
「………それでも…俺にはお金が必要なんです。妹の病気を治す事…それが叶うなら何でもやると決めたんです」
城島「………そうか。そこまで腹くくっとんやったら何も言わん。紹介しよ」
「ありがとうございます」
城島「今のホストクラブでもそうやけど基本給プラス能力給や指名が入れば入るだけ給料が上がる。客と寝たら寝るだけ金が入る。でも…それは相手のどんなプレイにも応じなあかん。マニアックな事が好きな客も居るんや。思ってる以上にハードやで。演技力も試される。嫌な客相手でもその気にさせてセックスするんやからな」
「………やります」
城島「分かった。じゃあ来月からおいで。場所はここや。坂本には話しておくから。櫻井くんからも話しときな」
「はい。ありがとうございます。宜しくお願いします」
城島オーナーがカフェを出て行く。
………覚悟は決めた。
守る物は舞以外…何もない。
俺は一息付いた後店を出た。