第9章 tragic love②
医者「容態も安定してるので…手術は成功したと言っても問題無いでしょう」
「ありがとうございます」
俺は先生に頭を下げた。
医者「しかし…何度も説明はしましたけど完治ではありません。これからも少しずつ心臓の肥大は始まるんです。難しいとは思いますが…早く心臓移植をお勧めします」
「………お金は…何とかします。何年かかっても…。だからそれまで舞を…宜しくお願いします」
医者「………勿論。出来る限りの事はします」
「お願いします」
俺は何度も何度も…先生に頼んだ。
先生と話した後、病院の外のベンチに座り空を見上げた。
今…1番に考えなきゃいけない事は…舞の事だ。
俺の大切な妹。
2人になった時に誓った筈だ。
なにがなんでも舞を守るって。
その為にはどんな事でもするって。
俺は携帯を取り、坂本店長に電話を掛けた。
「もしもし…お疲れ様です。はい…今は安定してるって…はい。ありがとうございます。それでお願いがあるんですけど…会いたい人が居るんです」