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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第9章 tragic love②


「………」


ぼんやりと…天井を見つめる。


初めて見る部屋の天井。


隣に座った坂本店長が…俺にコーヒーを差し出した。


坂本「落ち着いたか?」


「………すみません。いきなり電話して…」


坂本「いいよ1人で飲んでただけだし。電話越しに泣かれたら…誰でも放っておけないさ。特にお前ならな」


「………ありがとう…ございます…」


昌宏さんのマンションを出て行き場を失った俺は…無意識に坂本店長に電話を掛けてしまった。


電車で2駅の距離にある店長の家。
駅まで迎えに来てくれた店長に甘え、俺は彼の自宅までやって来た。


坂本「松岡の奴…馬鹿な事しやがって」


「………」


坂本「………もう本当に駄目なのか?」


「………無理だって…ハッキリ言われました。それに…結婚…するって…子供が産まれるって…」


坂本「………はぁ…」


「もう…いいんです…」


坂本「本当に良いのか?」


「………もう…早く忘れたい…」


迎えに来てくれた坂本店長の胸の中で散々泣いた。
泣いて…もう枯れたと思っていた涙がまた溢れ出す。


「嫌いになれたら…どんなに楽か…っっ…ふっ…うっ…ひっく…ぐすっ…」


坂本「櫻井…」


「ごめんなさい…店長しか…こんな事言えなくて…」


坂本「いいよ。こんな時は誰でも利用しろ」


「………店長…」


坂本「ま、あまり利用されるとそれにつけこんでお前に手出しそうだから程々にな」


笑いながら頭を撫でられた。


「………」


涙を流しながら俺は…静かに店長を見つめた。


坂本「………」


笑っていた店長の顔付きが変わる。


俺達は…静かに見つめ合った。


坂本「………そんな顔してると…襲うぞ…」


「………襲って…」


坂本「………」


「今だけでも…忘れさせてくれるなら…襲って下さい…俺を…好きにして…目茶苦茶にして…」


坂本「………ズルいなお前は…」


そう言うと…店長は俺を強く抱き締めた。


坂本「………翔…」


そのまま…俺達の唇が重なった。
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