第9章 tragic love②
松岡「………付き合ってる奴がいるんだ」
「嘘…嘘だよ…」
俺は頭を抱え、その場に崩れ落ちた。
松岡「………いつ言おうか迷った。そしたら昨日…子供出来たって言われて…」
「………いつから…」
松岡「………3ヶ月前…」
「………昌宏さんのお母さんに…反対された後…」
松岡「そうだ…でも原因は沢山ある。分かるよな」
「………」
松岡「もう…辛かった。お前と居るの…。彼女と居ると…癒された」
「………」
結婚…。子供…。
俺には…一生かかっても叶えられない望み。
それを…たった3ヶ月で…誰か知らないその女は…。
「………何で…抱いたの…」
松岡「………」
「………何で…抱いてからこんな話…」
松岡「………卑怯だけど…お前の事嫌いになった訳じゃない…むしろ…まだ愛してる。お前の顔見たら…抑えられなかった…」
パン!と肌のぶつかる寝室に音が響く。
「馬鹿にするな…馬鹿にするなよ!!」
松岡「………」
「大事にするって…ずっと側に居るって約束したのに!!どうして!!」
松岡「………ごめん」
「………こんなの嫌だ…別れたくない…。昌宏さん…俺まだ愛してるのに…側に居たいのに…どうして…」
松岡「ごめん…」
「もう…無理なの…?本当に…俺達…」
松岡「………ごめん。無理だ…」
「っっ…」
涙が…滝の様に溢れた。
俺は…そのまま昌宏さんのマンションを飛び出した。