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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第8章 tragic love①


今何が起きてるのかよく分からない。


目の前には松岡さんの顔。
唇に柔らかい感触。
俺…松岡さんとキスしてる…?


俺がそのまま固まってると、ゆっくりと唇が離された。


松岡「おい…目閉じろよ」


「………」


松岡「翔?」


「………」


松岡「おーい…」


「………」


松岡「翔くん?」


「止めてよ…」


俺は松岡さんから離れようと身を捩った。


「同情なんてされたくない…」


松岡「………同情?そう思ってるのか」


「だって…そうでしょ」


松岡「………」


これ以上期待するのは嫌だ。怖い。
早く…出て行きたい。
でも松岡さんは離してくれない。


「離して…離して下さい…」


松岡「暴れるな翔聞けよ」


「言いたい事は分かってます。やだ…もう聞きたくない…」


俺は必死で腕の中でもがいた。


松岡「翔」


「やだ」


松岡「聞けって」


「嫌だ!」


松岡「惚れてんだよお前に!!」


「………!?」


………え?
今…何て…?


「………」


松岡「何とか言えよ」


「………俺…聞き間違い?『惚れてる』って…」


松岡「聞き間違いなんかじゃねぇよ」


「でも…え…」


視界がグルグル回る。
俺…パニック。


「だって…松岡さん彼女…」


松岡「は?」


「彼女…居るんじゃないの?」


松岡「居たけど…お前と逢った日に別れた。まぁ別れて無くてもお前とこうなってたんだろうな」


「………」


松岡「この間は悪かった。まだ16のお前に厳しい事言い過ぎた。心の何処かで思ってたのかもしれない。大人になって欲しいって。俺と同じ目線に立って欲しいって。怖かったんだ。10も年下のお前に惹かれてる自分が」


「………」


松岡「でも…そんなのどうでもいい。お前は16歳で俺は26歳で…それは変えようのない事だよな。歳なんて関係ない。俺はお前に心底惚れてる。つーか…愛してるんだよ。こんな気持ちになったのは…今まで無い」


「松岡さん…」


彼の言葉が信じられなくて俺はただただ呆然と松岡さんを見つめた。


「………もう…苗字で呼ぶのは止めてくんねぇか。下の名前で呼べよ。もし…お前が俺と同じ気持ちなら」


「………」


夢見心地のまま、俺はゆっくりと口を開いた。


「………昌宏…さん…」
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