第13章 しのぶ恋/顕如
平成から突然、戦国時代にタイムスリップしてしまった私。
周りの状況も何もわからないまま、信長様に安土城に連れてこられて日々の生活を送っていた。
そんなある日
私は顕如さんと出会い、恋に落ちてた。
お互いの素性を知らずに__
顕如さんが信長様を討とうとしている事を知った時には、もう既に手遅れで……
離れる事が出来ないくらいに深く愛している。
顕如さんのいない人生なんて考えられない。
「私を顕如さんの傍にいさせて下さい」
何度もお願いをした。
でも、そのたびに
「凛には陽のあたる場所で生きていてほしい。
俺と一緒にいたら陽のあたらない暗い場所にて生きる事になってしまう」
「それでもっ……私は、あなたのお傍にいたいんです」
「……堪忍な」
苦しげに微笑む顕如さんの顔を見ていたらそれ以上は、何も言えなくて……
顕如さんも苦しんでいる
それがわかったから私は人目を忍んで逢瀬をつづける
きっといつかは明るい陽の下であなたと笑い合える日が来る事を信じて__
*Fin*