第4章 物の怪/明智光秀
オマケ
果てた凛を黙って見ていると、静かに襖が開く。
「お前の役目は今日で終わりだ。
ご苦労だったな」
懐から巾着をだし、小さな手に掴ませてやると嬉しいのか小さな声をあげる。
「この事は内密にな」
「キキッ」
光秀の言葉の意味を理解したかのように頷くと、静かに部屋を出ていく猿。
「飼い主に似ないでよかったな」
凛の部屋に毎夜忍び込んでいたのは、秀吉が飼っているウリ。
物の怪なんてはじめからいない。
「まんまと俺という物の怪に捕まってしまったようだな凛__泣いても離してはやらないぞ」
物の怪よりも怖い相手に好かれてしまった貴女は、幸か不幸か?
それは貴女の心が決めること
*Fin*