第3章 重ねた身体/顕如
胸の奥が苦しくなって、涙が溢れでてしまう。
顕如さんの事はよく知らない
でも、もっと知りたいと思う
腕を伸ばし顕如の頭を胸で抱え込む
「っ……何を?」
離れようとする顕如を腕で抱え込み足を絡める
「よくわからないけど……あなたは淋しい人なんですね」
「淋しい?」
「……私と一緒です」
「たわけた事を……」
不思議な女だ
陵辱されている男の身を案じているとは
信長への憎しみは生涯消える事はない
復讐する気持ちを変える気もない
そのためならどんな非道な事もする覚悟もある
例え、命を奪おうとも
見知らぬ女を犯そうとも
修羅と化した自分には人の心を持ちあわせてはいないのだから__
「胸など痛まないはずだが……」
小さな声で呟いた言葉は凛には、届かない。
自分の中に芽生えた小さな痛みを忘れるかのように、凛の足を広げ、何度となく射精して汚れた男根を深く差し込んだ。
「ぁ……んっ……」
与えられた猛々しい男根を咥えこみ、ひたすらに腰を踊らせる凛
顕如に抱かれながら、信長から解放されるような気がして頬が緩んでいく
私の居場所は此処かも知れない__
お互いを知らない凛と顕如
身体を重ね合ってから
生まれる愛もあるかも知れない
*Fin*