第28章 うたかたの夢/上杉謙信
「ンッ……あ……!」
雪のように白い肌に愛の印を散らしていく。
そのたびに凛は体を仰け反らせ、俺の頭を抱えこんでくる。
もっと愛して___
凛の声が聞こえたような気がした。
切なく喘ぐ凛の声を聞いているだけで、胸が締めつけられる。
早く繋がりたいと男根が主張を始めてくる。
俺はその主張に逆らずに凛の体の奥に挿っていく。
「凛……お前は温かい……」
「ん……ぁ……謙信……さま」
「ん?」
「……愛しています」
「俺もだ」
「私は……いつまでも謙信様の傍にいますから」
しがみつくように背中を抱きしめられる。
俺も凛の背中に腕をまわし、強く抱きしめる。
この腕はなにがあっても放すまい。
「魂のある限り、私はあなたを愛しています」
「凛……?」
「忘れないで……」
「なぜ泣く……?」
「幸せ……だから」
菩薩のようなすべてを包み込むかの微笑みを浮かべる凛の瞳から、一筋の涙が流れていく。
「泣かないで……謙信様……」
「泣く……?この俺が……?」
頬に凛の唇が寄せられて、俺は初めて視界が歪んでいる事に気付いた。
夢とは時に残酷だが、それでも……
「俺は凛に逢えて嬉しいぞ」