第25章 たまには構いたいの/豊臣秀吉
秀吉さん宛ての書簡を届けようと秀吉さんの部屋に向かっていると桶を持った三成くんと廊下でばったりと会った。
「こんにちは、三成くん」
「こんにちは、凛様」
「桶なんて持って何処に行くの?」
「秀吉様のお部屋へ」
にっこりと笑う三成くんの顔は……うん、やっぱり天使みたい。
その笑顔を見ているだけで癒やされてしまう。
「秀吉さんどうかしたの?」
「風邪をこじらせたらしく、熱があるようなので看病をさせてもらっています」
「あら……大変だね」
秀吉さんが風邪をひくなんて珍しい気もするけど、天使のように優しい三成くんに看病してもらえて羨ましいかも。
でも……あの構いたがりな秀吉さんがおとなしく看病されてるなんて……ちょっと想像がつかないような?
「凛様はどちらへ?」
「あ……私も秀吉さんに用事があって」
「じゃあ、ご一緒に秀吉様の所に行きましょうか?」
「うん、そうだね」
私はまだ何も知らなかった。
これから起こる惨劇?を……