第24章 届かない声/明智光秀*光秀side*
「愛もないのに抱かれたくない」
泣きながら訴える凛に
「愛しているから抱きたい」
その言葉が喉まで出かかってしまうが飲み込む。
雨の中、凛を見かけた時から俺の心は決まっていたからな。
悪者になって凛を抱きたい。
それだけの男だと凛が思ってくれればいい。
俺は無理やり凛を抱く。
愛液が俺を受け入れてくれたとは思わないようにして。
これは女の防衛本能。
傷付かないようにするための愛液。
そう自分に言い聞かせないと口にしてしまいそうになる。
凛は泣きながら何度もやめてと懇願してくるのを俺は無視をして腰を打ちつけていく。
今、この時だけは……
泣きながらでいいから、俺の名を呼んでくれ
俺を拒否する責めの言葉でもいいから
名を呼んでくれ。
それだけでいい
俺は満足出来るから。
俺を恨んでくれ
憎んでくれ、凛。
一生俺を赦すな。
そうすれば、俺は一生凛の中に入る事が出来るのだから。
凛が意識を失うまで俺は容赦なく腰を打ち続けた。
「すまなかったな、凛。
気持ちを抑える事が出来なくて」
俺の想いは凛には届かない___
*光秀side fin*