• テキストサイズ

イケメン戦国 ◇甘い囁き 2◇R18

第24章 届かない声/明智光秀*光秀side*


あの日、偶然にも雨の中凛に出会った。


ぬかるみにでも足を取られたのか?
見事に地面と対面していたな。


このまま見て見ぬ振りをすれば俺とおまえは傷つくことはない。

わかっている。

だが、俺の意思に反して身体は凛の傍へと歩み寄り、声をかけてしまう。


「こんな所で寝ていると風邪をひくぞ」

「……光秀さん」


既に雨に濡れてずぶ濡れだが、それでも少しでも雨から凛を守ってやりたくて傘の中に入れる。


「寝ているわけじゃないですけど」

「そうだったのか」


こんな時、俺は気の利いた言葉をかけてやる事ができない。秀吉あたりなら気の利いた言葉をスラスラと言えるんだろうな。


手を差し出すと怪訝そうに俺の顔と手を見比べる凛。

それでも差しだした手をとってくれただけで、俺は嬉しくなってしまう。

この俺がだ……





「ありがとうございます」

「1人で城下にきたのか?」

「はい」

「御館様が寵愛する姫君とは思えん行動だな」

「そうですか?信長様の許可はもらいましたけど」

「出掛ける時は籠を使うようにしろ」

「どうしてです?」

「悪い男に拉致されるぞ」



そう、悪い男にな___
/ 179ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp