第17章 虫歯/伊達政宗
「遠慮しないで食えよ」
「……うん」
私の目の前には政宗が作ってくれた料理が並んでいる。
政宗の作る料理は絶品で、いつも美味しく食べていた私なんだけど……
「ん? どうした? 箸が進んでいないみたいだな」
「え?……そんな事ないよ」
私の様子を伺ってくる政宗の視線から逃れるように料理を選んで口にする。
美味しい……
涙が出るくらいに美味しい
けど、今の私にはこの美味しい料理を味わう事が出来ない。
「やっぱりお前……変だな」
何かを探るような瞳が私に突き刺さってくる。
政宗ってば勘が鋭いからバレそうな気がして怖い。
「べ、別になんでもないし……あ、この煮物、ちょうど良い味付けだよね」
話を変えようと躍起になって喋っているけど、政宗は相槌もしないで黙って私を見据えているだけ
「やっぱり、隠し味は味噌かな?それとも」
「凛」
「醤油?」
「凛」
「っ……」
私の言葉を遮り、それ以上喋るな__
政宗の瞳が私に語りかけてきてるような気がして、私は口を噤んでしまう。
「気にする事はない」
「え?」
箸をお膳に置いた政宗は私を後ろから抱きしめ、耳元で甘く囁きながら、直接私の胸を包み込むように揉みはじめ
「お前はもう少し育った方がいい」
「え?!」
(胸が小さいって言いたいの?!
……確かに貧乳ですけど……)