第16章 あなたと永遠に……《番外編》/上杉謙信
「んあっ……ちょっと……少し……ハァ……休ませて……下さい……」
浅く何度も深呼吸をするけど、息の乱れが収まらない凛は泣きながら謙信に懇願をしていた。
「まだ愛し足りぬが……」
不満を漏らす謙信であったが、それは本心ではない。
組み敷いている凛の様子を見れば彼女が限界を感じているのはわかっている。
頬を染め、うっすらと汗ばんでいる凛が、愛おしくてたまらない。
愛おしい故に謙信の手は、凛を攻めるのをやめる事ができないのである。
謙信の愛撫によって何度も絶頂を迎えている凛の身体は限界である。
が、凛とて謙信の想いの深さを知っているから拒む事なくギリギリまで受け入れてきたのだが、呼吸が追いつかない。
「ではしばらく間、こうして待っているか」
「ぁ……」
ようやっと蜜壷から指が抜かれ、謙信の胸に抱かれる凛は、呼吸を整えながら謙信に愛される悦びに浸っていた。
「(こんなにも幸せでいいのかしら?)」
愛する者に愛される悦び
そして、愛する悦び
数少ない男性経験の中で凛は、常に受け身。
自分自身から男性に何かしようとはしなかった。
でも、謙信にはしてあげたいとの欲求が膨れ上がってくる。
自ら唇に口付けをし、自分を恍惚へと導いてくれる男根に手を伸ばし、愛撫したくなる。
「(謙信様のすべてが愛おしい。
こんな気持ちは初めてだわ)」