第1章 再会、そして
「……光太」
「会いたかったです木兎ざァァん!」
「郎……!」
んんん赤葦!マジ赤葦!
ちょっともう本当にいい加減にしてほしい。そろそろキャラ崩壊も甚だしいし、せっかくのイケメンが台無しどころの騒ぎじゃない。
残念なイケメンって、きっと赤葦みたいな奴のことを言うのだろう。
「おー!あかーし! 久々だなー!」
だいたい、光太郎も光太郎だ。
数日後には妻になる私に目配せひとつしやしない。しないどころか、フルパワーで縋りつく赤葦の頭をワシワシと撫でてあげている。
屈託のない笑顔と、誰にでも平等に優しいところは相変わらず。
赤葦やアキノリくんに揉みくちゃにされ、黒尾先輩からは老けたと野次られ、及川徹からは「遅ーい!」だなんてなじられて。
あの頃となにも変わってない。
いつだって輪の中心で。
いつだって、輝いてる。
感動の再会を邪魔されたのは悔しい、けど、ああやっぱり。
(好きだなあ……、何年経っても)
変わらぬ最愛との再会に、私は、ひとり小さく笑みを溢すのだった。