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(HQ) プラトニック・ラブ ─再会─

第1章  再会、そして



 *

「懐かしいなー! あったな、そんなこと! ベロンベロンだったよな、赤葦のやつ!」

 喉をころころと鳴らして笑う木兎光太郎は、その逞しい腕に小さな宝物を抱いていた。

「あなたが及川君を呼ぶから大変なことになったのよ、まったくもう」

 困ったように笑う木兎かおりもまた、その穏やかな眼(まなこ)にかけがえのない宝物を映している。


「パパ!ママ! おなかすいた!」


 木兎夫妻が授かった彼は、今日で三歳。父親譲りの肌は白く、瞳は溶けた飴のようなゴールドだ。


「よーし! んじゃ肉食おう、肉!」

「えー……私はパスタのほうが」

「おにくー! おにくたべたい!」


 新緑芽吹くセントラルパーク。
 最近こちらに移住してきたばかりの親子が、その背中を三つ並べて歩いていく。

 木兎光太郎がプロプレーヤーを引退した後のある日。春の訪れを感じさせる四月の、とあるニューヨークでの幸せの光景である。

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