第7章 一松のモノなのに、おそ松とやりますか?(一松+おそ松)
それから数日たって、
私は松野家に行くことは無かった。
おそ松くんにも、一松くんにも、
あわす顔がないからだ。
出来れば、まだしばらくは会いたくない。
けど、そんな簡単にはいかなくて、
ブーッブーッブーッ
携帯が震えた。
電話?
携帯をのぞき込むと、そこには、
[松野一松]
「っ、」
だめ、無理だよ、けど、
出なかったら、逆に怪しまれる?
私は携帯を手に取り、
電話を繋いだ。
「……もしもし、」
「あ、…
ね、ねぇ今から会える?」
「あ……、っと、」
私の身体には冷や汗が流れていた。
「…?どうしたの」
「へっ、あ、いや何でもないよ!」
「そう…?
で、会える?」
「あ、会える、よ。」
「よかった、じゃあ、
いつものとこで、」
「うん、わかった…。」
ピッ
「……はぁ、」
私は沈んだ気持ちで出掛ける準備をした。
……ダメだ、こんなじゃ、
気を引き締めないと、
そして、隙を見せないようにしないと、
待ち合わせの場所につくと、
もう既に一松くんは待っていた。
少し微笑んで手を振ってきた。
…私は罪悪感で押し潰されそうだ……。
「ごめんね、一松くん、遅れちゃった、」
「別にいーよ、」
一松くんは私の手をとった。
一松くん、ごめんね。
あなたに謝りたいけれど、
そしたらあなたはどんな顔をするかな。
……私は、捨てられてしまうのかな。
「……っ」
私は一松くんの手を、強く握った。