• テキストサイズ

卑屈な恋の終わりかた[おそ松さんR18]

第1章 かなわない


一服を終え、部屋に戻る。
散乱した服とベッドに横たわる夕香を見て
急に虚しさがこみ上げてきた。

...帰ろう。

身支度を整えて、部屋を出る前に
夕香の顔を覗き込んだ。



...泣いてる。
多分だけど寝ながら泣いてる。

夢にアイツが出てきたんだろうか。
寝言でアイツの名前を呼んだだろうか。

...その場に居合わせなくてよかった。

そう思うと同時に酷く汚い感情が
また心の中に溜まっていく。





夢に見て、泣くほど焦がれる相手なら
早く想いを伝えてしまえばいいのに。

涙を見て、こんな苦しいのなら
幸せに近づけるようにこの手を離して
背中を押してあげればいいのに。

でも、夕香も僕も
それをすることができない。

このままなら傷つかずに済むから。
/ 11ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp