第17章 ばーんがーいへーん 四年後
あれから高校を卒業し、東京の大学に進学した。
黒尾さんの大学と近い事もあり、いつの間にか仲良くなっていた親同士がお金を出してくれて少し広い部屋を選んで借りてくれた。
ありがたいが何か結婚を期待されてて正直ちょっと息苦しい感はあった。これは秘密。
家事は完全に分担。これははじめが肝心だと思って徹底した。けど予想と違って黒尾さんはちゃんとやってくれた。
それから私は大学四年になり黒尾さんは一足先に社会人になった。
私は卒業に向けて、黒尾さんは慣れない仕事でバタバタしていた。
黒尾さんは付き合いで飲み会が増えて私は卒論やらなんやらで忙しくてスレ違いが続いていた。
ある日の夜中
玄関が開いた音で目が覚めた
黒尾さんが帰ってきたかな...と部屋から出るとベロベロになった黒尾さんがいた
黒尾「ユキノ~!ただいま~会いたかったよ~!」
ハイテンションで抱きつかれるとプーンとお酒やらタバコの居酒屋独特の匂い...
『うわ...臭いですよ黒尾さん』
早く脱いでお風呂入ってと言うと、脱いでとかやらし~!と絡んできてめんどくさい。
もぉ~ユキちゃんも一緒に入ろうよ~とまた抱きついてくる
......うっ..臭い......うぇ..
『ちょ、黒尾さん気持ち悪い...』
吐きそう...と言うと酔いが覚めたのか大丈夫か?大丈夫か?と心配してくれる
『大丈夫ですよ。疲れが溜まって体調が良くないだけですから』
それより、付き合いがあるのはしょうがないですけど飲み過ぎですよと黒尾さんを正座させお説教。
卒論も無事済み、あとは卒業するだけ。
黒尾さんはお付き合いは減らないものの飲み過ぎる事は少なくなった。
全部済んで気が抜けたのかこの頃疲れがドッときた。
体調もぐずぐずで食欲もあんまりない...
......あれ..生理いつだったっけ......
それから妊娠検査薬を買って調べたら見事陽性。
頭の中で某芸人の“やっちまったなぁ!”が響いた