第12章 12本目
赤葦「黒尾さんって独占欲強いんだね」
『強いのかよく分からないけど寂しがり屋さんっぽい』
月島「......あれで寂しがりって...」
『あ、二人もキレイに撮れてるよ。いる?』
赤葦「じゃあ一応」
月島「僕はどっちでも。」
『そう言わずに。カッコよく撮れてるよ』
赤葦「あ、ほんとだ。撮るの上手いね橘さん」
『イエイ。ツッキーも褒めて。』
月島「はぁ~めんどくさい人。」
『ブロマイドにしたら売れそう。ツッキーモテるもんね』
月島「自分こそモテモテのくせに。前も及川さんの番号売ろうとしてましたよね先輩」
赤葦「及川さんって誰?」
『あ、こらツッキー言うな』
_____ガシッ..
黒尾「それだぁれ?」
......ツッキー笑ってやがる...
『別に誰でもないですよー』
月島「青葉城西ってとこのバレー部主将で橘先輩は及川さんのお気に入りなんですよ~」
『蛍ちゃん何言ってるのかな』
黒尾「へぇ~初めて聞いたけど。」
『あの人は女の子なら誰にでもそうなんです。』
黒尾「ふーん」
明らかに不機嫌になった黒尾さん。
月島を薄目で見るとお疲れ様でーすとさっさと出て行った。
空気を読んだ赤葦くんが木兔さんとリエーフを連れてってくれた。
『黒尾さん』
黒尾「.....なぁに」
『怒ってるんですか』
黒尾「べぇーつに。」
と言いながらプイッとする。
『せっかく久しぶりに会えたのに。』
黒尾「...だよな。わりぃ...」
そしてぎゅうっと抱きついてきた。
こんなに大きいのに子供みたいで可愛い。
言ったら怒るんだろな...
『黒尾さんしゃがんでください』
そう言うと不思議そうに座ってくれた。
黒尾さんの前に膝立ちすると今度はこっちからぎゅうっと抱きつく。
会いたかった...と黒尾さんが呟いた。