第10章 10本目
日向と私の身長はあまり変わらない。
だから戦い方のヒントになればと思った。
私もあの人からそれを学んだから。
ブロックされて打ち抜く力や高さが無くてもブロッカーの腕に当てる角度、位置でブロックアウトが出来る。
_____パァン!
黒尾「くっそぉ!またブロックアウト!」
『うぇーい。黒尾さんの真似』
黒尾「そんなに憎たらしく見えるのか...」
『はぁ~私、もう無理です。日向と交代します』
そう言って日向に靴を返して交代する。
嬉しそうな日向。
日向「すごいっす!ユキノ先輩!俺頑張ってきます!」
『お~頑張れ~』
それから焦りは落ち着いたようで木兔さんのプレーも見て学んでいた。リバウンドをした木兔さんにすげーすげー!と言って喜ばせていた。
“落ち着いていれば戦い方は見えてくる”
そう言った木兔さんは...始めて先輩に見えました。
けどその言葉で日向も思うところがあったらしい。黒尾さんリエーフ月島の高ーいブロック相手にブロックアウトを取った。
そしてそれに感動した木兔さんに必殺技を教えてもらってた。
自主練が終わり、ご飯を食べてお風呂に入りまた昨日のベンチに来た。
黒尾「よう。」
『すみませんお待たせしました』
黒尾「いいよ~」
そして黒尾さんの横に座る。すると黒尾さんが間を詰めてきた。
『近いですね』
黒尾「攻めるって言ったし今日はそういう気分。くそ木兔め...」
『まだ怒ってるんですか』
黒尾「当たり前デショー俺だって触ってないのに!」
......月島のお風呂事件言わなくてよかった。
『黒尾さん。』
黒尾「ん?」
『好きです黒尾さんが。たぶん』
黒尾「......え?なんて?」
『好きです、たぶん』
黒尾 「え?マジ?..なんでいきなり?...え?たぶん?」
昨日、部屋に戻ってから女子マネ達に聞いてもらって気持ちを自覚したと。うっすらですが...
黒尾「あぁ...だからあの生ぬるい視線だったわけね。てか知らないって言ってたくせに」
アハハハーと返す。