第1章 サーブ1本目
『あーはい。そうですバリボーです 』
「これ今月発売のやつでしょ~?ちょっと貸してね~☆」
_____ヒョイ...ペラペラペラッ...
『あ、ちょっと...』
「あったあった!ほら見てぇ~ジャーン及川さんが載ってるんだよ~☆」
開かれたページを見ると確かに目の前のチャラ男が載っていた。
“ 県内最強セッター 及川徹 ”
『へぇ~ほんとだ。すごいんですね及川さん』
「あ、名前呼んでくれた!嬉しいなぁ☆」
ていうか青葉城西なんだ。いやちゃんと見たらジャージに書いてあるし...
「もぉ~そんなに見つめないでよ~照れちゃうな☆よしじゃあサインあげるね!」
そう言うとどこから出してきたのかペンを出して慣れた手つきで自分のページにサインした...
____ 勝手に何してんの...
「ついでに電話番号も書いてるから連絡くれたら嬉しいなぁ☆」
『すみません......そちらの方は何てお名前なんですか?』
「え!無視!?」
「あ?俺? 俺は岩泉一」
『じゃあ岩泉さん。岩泉さんのサインもください。』
「いや、俺サインなんて書けねぇよ」
『大丈夫です。“ここ”に普通に名前書いてくれればいいんで。』
「......わかった。」
私がトントンと指でさした場所を見ると快く了解してくれた。
及川さんからペンを借りてササッと書いてもらう
『ありがとうございました~』
「えーちょっと岩ちゃんどんなの書いたの?見せて!」
『はいどうぞ~』
「んぁ!ちょっと岩ちゃん!何で鼻の下に書いてるの!?ヒゲみたいになってるじゃん!」
「そこしか書くとこなかったんだよ」
「ウソツキ!!!」
『あはは!じゃあサインありがとうございました!私行きますね~』
「あっ!ちょっと待って!まだ名前聞いてない!」
『あぁ。失礼しました。ん〜いつか会えたら言いますね。ではまた~ 』