第12章 女の子は甘いものがお好き(十四松)
【○○】
「ああ゛~…」
女子らしからぬ言葉を上げる。
私は自宅で今日の夕飯のパスタを食べていたのだ。
……固い。
ボーッとしながら茹でていたからか。
「もうわたし…最低な人間だ」
何で一松君の彼女なのに十四松君と出掛けたかな。
これ確実に浮気じゃん。
一松君は、私のこと、嫌いになったのかな。
そう思うと、涙がこみ上げてきた。
私は、誰が好きなんだろう。
当然、6つ子はみんな大好きで、でもその好きは友達の好きで……
みんな、告白やキス…してきて、何故かわからないけど怖かった。
誰か一人を選んだら、他の五人はどうなるの?
皆のことが大好きだからこそ、選べない。
なのに私は、一松君を選んでしまった。
あの観覧車で見た、切なそうな顔にときめいて。
私は____
ピコン
「?」
RINEの受信ボックスに、あの人のメールが届いていた。
あいたい
そう、一言書かれていた。
「っ………」
私はパスタなんかほっぽって家を飛び出した。
だが、言うまでもなく玄関を開けたらいつものパーカーを着た十四松君がたっていた。
「十四松君……?」
十四松「○○ちゃんっ……」
十四松君はいつも大きく空いた口がすっかり小さくなって涙声で私に刷りよった。
十四松「○○ちゃん…」
私に刷りよってきた十四松君は重くて私はバランスを崩した。