第12章 女の子は甘いものがお好き(十四松)
【十四松】
あの日行ったカフェ。
僕はまたあのパフェを注文する。
十四松「○○ちゃん何食べる?」
「うーんと…私も十四松君と同じのにしよっかな?」
十四松「おっけー!店員さん!これ二つください!!」
僕は思う。
○○ちゃんは一人では物事を選べない子だ。
最悪「同じにする」で片付ける。
今いるこの場所も、パフェも、そして僕達も、
○○ちゃんは一人では選べない。
○○ちゃん。
お願いだから、
僕を好きになって。
僕から○○ちゃんに願う、たった一つのわがまま。
ただ僕は滲んだ人間で。
そんなの絶対に叶わないって知ってて願ってる。
○○ちゃんには一松兄さんがいるんだよ?
僕はあかねちゃんと約束してるんだよ?
堪らなく狡い人間だ、僕は。
店員「ごゆっくりどうぞー」
十四松「あ…」
ちょこんとさくらんぼが乗った可愛いパフェが僕らの机に二つ。
ついでにお冷やも二つある。
…………
飲み水が近くにある時、絶対にあかねちゃんに見せてたあれ。
十四松「○○ちゃん!見てて!!」
僕は水を飲むと体いっぱいに力を入れた。
十四松「ーーっ!!!」
「えっ!?」