第10章 いつになったら気づいてくれる?(一松)
藍色に染まった夜空に小さな火花が昇る。
そして夜空に大きな音をして虹色に散った。
「あ、花火…」
一松「花火、好きなの?」
赤色の花火が散る。
「好きだよ……綺麗だし。」
一松「俺も好き。キラキラしてて、○○みたい。」
えっ…
普段の一松君からは予想もしない言葉が出た。
青色の花火が散る。
「花火見たら帰ろっか。」
一松「そうだね、みんな心配してるし。」
緑色の花火が散る。
一松「……○○、ちょっとこっち来て、」
「えっ……わっ!!」
一松君が私の腕を引っ張り、私の唇に一松君の温かい唇が当たった。
その瞬間に、紫色の花火が散った。
紫色の花火は綺麗で、其よりも花火を背景に映る一松君が綺麗で。
胸が奥できゅんとした。
唇を離し、一松君の顔を改めて見る。
一松君は真っ赤だった。
そして私を抱き締めた。
黄色の花火が散った。
一松「○○、…○○、好き…大好き!!」
痛いくらいに抱き締めて、目の前には光る火花が咲いていた。
一松君が……私を好き?
大好き……?
こんな真剣な一松君、初めて見た………
私はもう頭の中がぐちゃぐちゃだ。
ピンク色の花火が散った。
一松「鈍感過ぎんだろバカ○○……俺が○○を好きだって、
いつになったら気付いてくれんの?」
一松君は私を更にきつく抱き締め、私の目には、大きな虹色の花火が咲いた。