第9章 花言葉(カラ松)
えっ………
好きな、人?
そうか、好きな人か。
そりゃ居るよね、もう大人だもん。
へぇ、好きな人か。
「頑張れ、応援するから。」
高校の私なら、『だれだれ!?』と無理やり聞いただろう。だけど私は聞かなかった。
聞いたら、全部が壊れると思ったから。
カラ松「そうか、○○が応援してくれるなら俺は嬉しい。」
カラ松君は笑ってた。
私に向けて。
カラ松君はその笑顔を好きな人に向けてるの?
それとも、照れて顔を真っ赤に染めてるの?
好きな人がいるなら、何で私にキスしたの?
哀しくて涙が出そうだった。今すぐ此処を離れたかった。今持ってる青い花を握り潰してやりたかった。
だけど、全部出来なかった。
身体が痙攣して痺れて来た。
身体が、動かない。
カラ松「○○」
カラ松君がぽん、と私の肩を軽く叩く。
触れられた肩から熱を帯び、痺が消えた。
「あ、ありがと」
それだけ言って、カラ松君は再び花を見た。
私も花を探さなきゃ。
持っていた青い花は綺麗に咲いている。
カラ松「○○は薔薇の花言葉を知ってるか?」
「へっ?」
突然話し掛けて来たから、びっくりした。
薔薇の花言葉……?
「確か…情熱、じゃなかった?」
カラ松「ま、まぁそれもそうだが薔薇は本数で花言葉が変わるんだ。一本なら一目惚れ、二本ならあなたと私。」
「へぇ~!じゃあ三本は?」
カラ松「……愛しています。」
え?
何………今の……
花言葉………それとも…………………