第9章 花言葉(カラ松)
【カラ松】
カラ松「じゃあな○○、今度また遊びに来いよ。」
「うん…またね…」
俺は薔薇を三本持ち薔薇を買った。
紳士に手を振り、立ち去ったんだが、
○○の前だと上手くいかない。
『愛しています』
三本の薔薇の花言葉。
愛していますは、花言葉の意味で言ったんだろうか、それとも○○に向けての意味なんだか。
俺でも分からない。
ただ、○○を好きなことにはかわりない。
この薔薇だって○○に贈るはずだった。
だけど俺のバカが勢いで勘違いするような事を言ったから○○が戸惑っていた。
○○が好きなことだけは事実。
そうじゃなきゃ○○にキスなんてしない。
○○のファーストキスを奪った罪悪感がまだ脳裏にある。
ただでさえ○○のような人にキスすることすら許されないのに。
風邪の日にまで偉そうにキスしやがって。
俺は最高に最低な人間だ。
そのくせまだ○○に易々と近づいて。
○○に彼氏がいたらどうすんだ、
○○に恋人がいたらどうすんだ。
俺はどうすんだ。
○○の全てが欲しい。俺の全てを差し出したい。
其れを受け取って欲しい。
○○を独占したい欲望をさらけ出したら○○はどんな顔をするんだ。
俺を一生拒絶するのか?
俺を見て馬鹿にするのか?
いや、そんなことしない。○○は優しい子だ。受け入れてくれる筈だ。
そうであると信じたいだけだ。
俺は○○が好きなだけだ。
ただ、片思いで一生届かないだろう。
それに○○を好きなのは、俺だけじゃない。
おそ松も、チョロ松も、一松も、十四松も、トド松も、
みんな○○のことを好きなのは、とっくの昔に気付いてた。
だから応援しなくてはならない。
兄弟の恋路を奪う度胸なんて、俺にはないから。