第9章 花言葉(カラ松)
【○○】
チョロ松君のあの言葉……
『良かったら、貴女のことを好きでいていいですか?』
あの言葉、本気だった。
だから私は、戸惑った。
ついこの間まで、只の友達だった。
だけど、チョロ松君の真剣な思いを裏切ったらどうなるの?
チョロ松君の思いを裏切ったら、チョロ松君だけじゃない。
松野君達の皆に会えなくなるかも知れない。
だから私は適当に返した。
自分を守る為だけに。
堪らなく酷い人間だ。
謝らなくちゃ行けないのは、私のほうだ。
店員「あの…お客様?」
「えっ、あのすいません…」
そうだ、私は今、花屋に来ているんだった。
今度、友達の結婚式だから、プレゼントに花でも、と。
結婚、か……
私もいい年なんだから、真剣に考えないと………
にしても、花はいつ見ても綺麗だ。
カトレア、牡丹、ラベンダー……
花に見とれていると、誰かの肩にぶつかった。
???「あっ……すいません」
「いえ、こっちこそ……てあれ?」
低い声に爽やかな香水の香り。
それにお洒落なトレンチコート……
一見トド松君かと思ったけど、良く見たらカラ松君だった。
カラ松「○○……」
「カラ松君………」
話がぎこちない。
それもそうだ。
だってついこの間キスしたばっかりだもの。
あの風邪の日に当たった柔らかい唇が忘れられない。
しかもその前にキスをされた。
しかも私のファーストキスを。
何故だろう。
何だか目の前にいるカラ松君が凄くカッコいい。
眩しい位に。
胸が痛い。
何かが刺さるかのように、
痛い。
カラ松「……○○はどんな花を見に来たんだ?」
カラ松君が話してくれた。
そうだ、私とカラ松君は偶然会った、「友達」だ。
「け、結婚式のプレゼントを、友達が結婚するから。」
戸惑って逆接で話してしまった。
カラ松「花はやっぱり良いよな、特に俺は薔薇の花が好きだ。」
そう言って赤い薔薇を一輪手にした。
「その薔薇、買うの?カラ松君もプレゼントかな?」
カラ松「………………………あぁ、好きな人に贈る花だ。」