第8章 偶然(チョロ松)
「えっ……?////」
○○ちゃんの顔が真っ赤になった。
僕が突然変な事を言ったからだ。
恥ずかしい。
凄く恥ずかしい。
何か言わなきゃ。
はやくはやくはやく。
「チョロ松く……
チョロ松「いや、ど、ド、ドラマのセリフ!カッコ良かったから、一度女の子の前で使って見たかったんだ!ゴメンね?」
僕は○○ちゃんのセリフを遮って分かりやすい嘘をついた。
空気を読んで嘘を信じたフリをして。
そう目で訴える。
「…そっか!そうだよね!チョロ松君は私なんかを好きになるはずないもんね!!」
ズキン
ちくりと何かが僕に刺さった。
そうだよ。僕が○○ちゃんなんかを好きになるはずないよ。
いや、逆だろ。
○○ちゃんが僕なんかを好きになるはずないんだよ。
分かれよ、何で解んないの?
僕は○○ちゃんの反対の方向を向いて目から溢れる雫を袖で拭き取った。
汚い涙を。
「ち、チョロ松君はオススメの店とかあるの?」
○○ちゃんは話をそらして話題をふった。
ゴメンね、僕が気まずい空気を作ったから。
チョロ松「あそこのデパートのレストランが美味しいらしいよ?別に僕は○○ちゃんの好きな所でいいけど?」
「ううん、私滅多に外食しないから人にオススメされた場所ばっかり行くの。だからそこにする。」
○○ちゃんは僕に笑いかけてくれた。
僕はまだ○○ちゃんの手を繋げずにいた。