第6章 ねこふたり。(一松)
おそ松「単刀直入に言うと、カラ松お前、○○とキスしたよな?」
カラ松「!!??」
何故だ…?
この事は誰にも話していないのに……
おそ松「俺勘だけはいいんだよな~あと、何年お前の兄貴をやってる」
おそ松の目は俺を見下す、白い目だ。
おそ松「○○、あれがファーストキスだったんだぜ~?その上、相手がお前じゃなくて、俺だと思われてるし。」
カラ松「えっ……」
つまり、○○とおそ松がキス……
おそ松「怒ってる?実は俺も怒っててさぁ、○○の初めてを本人の知らぬ間に奪うって、可哀想だと思わない?」
おそ松は怒ってる。
それは俺にも分かる。
ただ、いつも皆に合わせてばかりじゃないからな。
俺は立ち上がり、おそ松と同じ目線で睨み付けた。
カラ松「だったらお前にも同じ事が言えるな。○○の本当の初めてを教えてやらずに嘘をついてな。○○にとっては大事なことだろう。」
おそ松「ふーん……珍しくヤル気?」
肩や手を軽く鳴らした、その時、
一階からダダダダ、と煩い足音が此方へ向かった。
俺達がいる部屋の襖を開けると、末の二人が息を切らして俺達へ抱きついた。
トド松「おそ松兄さん、喧嘩しないでぇ!」
十四松「カラ松兄さんも怖い目ダメーっ!」
「「トド松…十四松…」」
二人はやめて、とひたすらに訴えてた。
俺は十四松の頭を撫でた。
カラ松「ゴメンな十四松………喧嘩しないから」
おそ松「トド松、お前も悪いな?」
二人のお陰で俺はおそ松と喧嘩するわけじゃななくなったけど、
まだ俺は許した訳じゃないから。
多分おそ松も俺を許した訳じゃないはず。
○○にいつか伝えなくてはならない。
○○の初めてを奪った最低な人間の名前を。