第2章 ねぇ、一緒に行こう!(十四松)
数十分歩いて着いたのは海岸。
十四松君がいつも素振りをしている場所らしい。
十四「○○ちゃん!○○ちゃん!はいボール!」
十四松君は使いかけで茶色い傷が入ったボールを私に手渡した。
ボールを伝って十四松君から私へ体温が伝わっている。
ふと、私は十四松君の左手が気になった。
リストバンドが…ない?
高校の時は十四松君は14の番号が縫われたリストバンドを着けていた。
名前と高校の野球の背番号も14だったから何となく覚えていた。
休みも学校のときも欠かさず着けていたから、違和感があった。
「あれ、十四松君、リストバンド付けてないんだ?」
何気なく駄弁るつもりで聞いてみた。
だけど
十四松君の顔から笑顔が消えた。
だけどその笑顔が消えたのは一瞬で直ぐにまたいつもの笑顔に戻った。
十四「破れて捨てちゃったんだー さ、○○ちゃんやきういこ!」
「う、うん………」
破れた何て目に見える位の嘘。
でも私はその嘘を信じることにした。
十四松君のリストバンドは何があったんだろ………………